NHKスペシャル 人工知能 天使か悪魔か
- 2017.07.01 Saturday
- 18:26
先日、NHKスペシャル「 人工知能 天使か悪魔か」を興味深く見ました。前もって番組表でチェックして期待していたのですが、予想以上のおもしろさで、いろいろと考えさせられました。(言い回しとして、期待していたのですが〜期待はずれだったと結ぶべきか)番組では佐藤天彦名人VS将棋ソフトPONANZAの戦いを軸に羽生善治さんの解説などを交えて構成されています。前々から将棋には興味があり、毎年電王戦の結果を楽しみにしていました。数年前まではコンピューターとプロ棋士が勝ったり負けたりと記憶しています。去年、今年と人工知能の圧倒的な勝利です。ここ1、2年で人工知能は驚くべき進化を遂げています。
もちろん将棋だけでなく社会のあらゆる場面で利用され、進出しているようです。
私が最も興味をひかれたのは、人工知能の世界的権威の博士が開発している人工知能ロボットと博士との会話の風景です。会話の内容もさることながらそのロボットの表情の豊かさには大変驚かされました。
新しい時代の波が来ているなと強く感じました。
話は変わりますが、6月の日曜日に渋谷で開催されていたオリエント工業40周年記念「今と昔の愛人形」展に行って来ました。平たく言ってしまえばラブドール展、昔で言うダッチワイフですね。前々から興味があり、私の年代としては多少の恥ずかしさもあったのですが、好奇心が勝り思い切って行ってみました。
ラブドール展の盛況さには驚きです。午前中に整理券をもらい3時間後に入場可能ということで、時間をつぶさなくてはなりませんでした。以前ラブドールを使ったアート作品も知っていましたし、ダッチワイフを題材とした是枝監督の映画「空気人形」も心に残りました。篠山紀信もラブドールの写真集を出しているようです。なんだかんだ言ってもあんたは結局はエロ目的でただのエロオヤジだろうと言われればまあその通りで認めるしかありません。ただエロスは人間を語るうえで、根源的な要素であることは間違いありません。以前東京で開催された春画展も驚異的な観客動員数であったと聞いています。万人が興味あることには間違いないでしょう。ラブドール展の会場では若い女性の多さと、加えてとても明るい立振る舞いに圧倒されました。堂々とした高齢者の方々も多少は見受けられましたが性に関して恥ずかしさと多少の後ろめたさを感じるのは私だけでしょうか。展示会を見終わって「今と昔の愛人形」のタイトルにもあるようにラブドールの進化も半端ではありません。容姿が美しく作られていることはもちろんですが、肌に触れた時のリアルさなどもとことん追求している姿勢が伺えます。解説を読み進めていくと購入者のなかには単なる性欲のはけ口だけでなく心のつながりを求めている人も珍しくないようです。映画「空気人形」にも扱われていた題材です。
進化の著しいリアルなラブドールやNHKスペシャル「 人工知能 天使か悪魔か」に出てきた人工知能搭載の表情豊かなロボット。いろいろな技術が合体され開発されれば、子供の頃胸を躍らせて夢中で読んだ手塚治虫の鉄腕アトムの世界がいよいよ現実味を帯びてくるのでしょうか。対ロボットとの関係で性欲が満たされたり、会話などにより心が癒されたりすれば、何かと面倒な人間同士の恋愛関係を敬遠する若者も出てくるかもしれません。人間とロボットの恋愛が成り立つ時代が来るのかも知れません。人間同士のつながりにも影響がありそうです。今話題の老人の孤独死問題などにもうまく活用できるかもしれません。いろいろな可能性が広がります。番組の最後に「人工知能は天使か悪魔か今はまだ分からない。ただ進化は止まらない。」と締め括っています。
子供時代はテレビや電話の出現に心を踊らされました。近年ではパソコンやスマホの普及、そしてこれからは人工知能の進化など、私が生きているうちにどれだけ世界が変わるのだろう。いくつまで生きられるかは誰にもわかりませんが、ぎりぎりまで好奇心を失わず時代を見届けたいものです。しかも楽しく。
菅実花 ラブドールは胎児の夢を見るか?メイキング映像ダイジェスト
下の3枚の写真は「今と昔の愛人形」展の会場で携帯で撮った写真です。